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2023.11.28

インテリア

「観葉植物のある暮らし」で生活に彩りを。
【フラワーアドバイザー監修】

私たちの暮らしに、潤いと癒しを与えてくれる「観葉植物」。
忙しい生活の中でも、植物を目にすると一瞬、心が和むことがあります。
観葉植物は空間にみずみずしさや彩りを添えてくれるだけでなく、ともに暮らす楽しさや豊かさを教えてくれます。花やグリーンが持つ爽やかさを上手に生活に取り入れ、自分が心地よいと思える空間を演出してみるのもよいのかもしれません。
今回は、そんな「観葉植物のある暮らし」の魅力と、家族のようにともに成長できる品種の選び方、お手入れのコツなどをご紹介します。

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  • 観葉植物がある暮らしの魅力とは

    家族とともに、成長する観葉植物。その姿は、日々の暮らしに潤いをもたらしてくれます。また、お部屋に観葉植物を取り入れることで、リラックス効果も期待できます。

    ◆お部屋が明るく爽やかな雰囲気に。
    家にいながら季節を楽しんだり、自然の温もりを感じたりと、暮らしをより豊かにしてくれるのが観葉植物。木製家具やインテリア小物との相性もよく、インテリアとして観葉植物を取り入れるだけで明るく爽やかな雰囲気になります。

    ◆目からも癒され心地よく過ごせる。
    グリーンは、穏やかで平和な気持ちをもたらしてくれる色。観葉植物をインテリアとして取り入れれば、目にも優しく癒しを与えてくれます。実際に、緑視率(視界に入る緑の量)が高まるにつれてリラックス効果が向上するという研究結果があります。ふと視線を移す場所に観葉植物を飾ることで、心がほっと和み心地よく過ごせることでしょう。リラックス感を演出したいリビングや、住まいの顔となる玄関、人の集まる場所や集中力を高めたいワークスペースなどに置くのがおすすめです。

    参考:都市の緑量と心理的効果の相関関係の社会実験調査について~真夏日の不快感を緩和する都市の緑の景観・心理効果について~|国土交通省

  • 【フラワーアドバイザーが解説!】
    住まいに合わせた観葉植物の選び方

    観葉植物は、住まいの雰囲気や広さ、家族構成などに合わせて選ぶのがポイントです。また、観葉植物のサイズや葉の形、背の高さなども選ぶヒントになります。
    ここでは、フラワーアドバイザーが住まいに合わせた観葉植物の選び方を紹介します。

  • 1.好みのテイストに合わせて選ぶ

    観葉植物を選ぶヒントになるのが、「好みのテイスト」です。あなたが目指すインテリアのテイストに合う品種を選べば、まとまりのある素敵な空間をつくることができるでしょう。また、合わせる鉢のデザインや色にもこだわると、ぐっと素敵な雰囲気になります。
    どのような品種、鉢を選べばよいのか迷ったら、テイスト別の品種や鉢の選び方も参考にしてみてください。

    ■モダン:クワズイモ
    クワズイモは、ハート型の大きな葉とどっしりとした幹が印象的な品種です。そこにあるだけでインパクトを放つため、クールなモダンインテリアになじみつつ空間のアクセントになることでしょう。品のある雰囲気を演出するモダンインテリアに合わせるなら、ダークカラーの鉢やポットカバーを選ぶのがおすすめ。装飾のないシャープなデザインを選んで、すっきりと仕上げましょう。

    ■ナチュラル:エバーフレッシュ
    華奢な幹と涼やかな葉が印象的なエバーフレッシュ。木製家具やアースカラーでまとめたナチュラルインテリアによく合います。鉢やポットカバーも、インテリアに合わせた明るいトーンを選ぶのがおすすめ。素焼きの素朴な風合いのあるプランターも、ナチュラルインテリアになじみます。コロンと丸いフォルムなど、曲線で構成されたデザインを選ぶと柔らかな印象に仕上げられます。

    ■シンプル(スタイリッシュ):フィカス・アルテシーマ
    明るいグリーンに黄色の斑(ふ)が入った葉を繁らせる、フィカス・アルテシーマ。背丈の高い観葉植物でスタイリッシュな印象を与えます。凛とした佇まいは、シンプルインテリアによく合います。フィカス・アルテシーマの美しい葉が引き立つよう、鉢は無駄のないシンプルなデザインでクリーンな印象を与える白を選ぶのがおすすめです。土を隠すための「ココファイバー」を敷くと、よりおしゃれな印象に仕上がります。

  • 2.置きたい場所(広さや日当たり)で選ぶ

    観葉植物の品種は、お部屋の役割や広さ、日当たりなども考慮して選びたいもの。どのように取り入れればよいのか迷ったら、部屋別のおすすめの品種と飾り方も参考にしてみてください。

    ■リビングにおすすめ:ケンチャヤシ、フィカス・ウンベラータ
    シャープな葉が南国リゾートを思わせるケンチャヤシ、ハート形のダイナミックな葉が印象的なフィカス・ウンベラータは、リビングにおすすめの品種です。明るく日の当たる場所を好み、リビングの窓辺などで元気に育ちます。

    ■寝室におすすめ:ポトス、セローム
    観葉植物の代名詞とも言えるツル性のポトス、切れ込みの入った大きな葉が印象的なセロームは、お部屋にさりげなく置くだけでインパクトのある品種です。光が入りづらい北側の寝室でも、耐陰性のあるポトスやセロームなら安心して置くことができます。時折、日の当たる部屋に移動させてあげると元気に育つことでしょう。

    ■(番外編)ハンギングにおすすめ:ディスキディア、エアプランツ(キセログラフィカ、ウスネオイデスなど)
    近年、おしゃれな観葉植物の飾り方として人気を集めているのが「ハンギング」です。繊細なフレームに飾ったり、綿ロープとフックでマクラメをDIYしたりと、吊るすことでクールに観葉植物を取り入れることができます。おすすめの品種はツル性の常緑多年草として知られるディスキディア。成長するほど下に垂れ下がるようにツルが伸び、可愛らしい小さな葉を揺らします。また、土に根を張らず空気中の水分で育つエアプランツも育てやすく、個性的な葉の形がインテリアのアクセントになります。

  • お部屋のアクセントやシンボルツリーにおすすめ! センス溢れる「ユニークな観葉植物」

    ここでは、お部屋のインテリアを演出するアクセントとして、また住宅購入の記念となるシンボルツリーとしてなど「ユニークな観葉植物」を取り入れたい方におすすめの品種を2種をピックアップします。

    ■ビカクシダ:コウモリランとも呼ばれる、ワイルドな葉がおしゃれなインテリアを演出するビカクシダ。ハンギングして飾ったり、壁掛けしてアートのように飾ったりと「浮かせる」ことで葉の形を立体的に楽しむことができます。また乾燥気味を好み、成長スピードがゆっくりであるため、水やりや剪定の手間があまりかからない扱いやすさも特徴です。

    ■モンステラ:個性的な切れ込みの入ったエキゾチックな葉が、インテリアをブラッシュアップしてくれる品種です。 ぐんぐんとワイルドに力強く伸びるツルは、南国テイストのインテリア小物や、自然素材のポットカバーなどに合わせるとおしゃれに仕上がります。生命力の強さも魅力の一つ。剪定した茎を土に植え込む方法で、増やすことができます。

  • 専門家に聞く、観葉植物を元気に育てるコツ

    お気に入りの品種を見つけても、あっという間に枯らしてしまっては残念です。観葉植物を元気に育てるためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。ここでは、観葉植物を育てる時に気をつけたいポイントを専門家が解説します。

    ・植物の元気がなくなった場合
    お手入れの基本は、水やりです。水やりは「土が内部まで乾いたらたっぷり与える」のがポイント。しかし、水をあげ過ぎても根腐れを起こし元気に育たなくなる場合があります。土中の水分量をきちんと確認したい場合は、園芸屋さんやオンラインショップなどで気軽に購入できる「水やりチェッカー」を活用すると簡単に状態を把握することができます。また、日が当たり過ぎて元気がなくなる場合もあります。直射日光に当たる場所から移動させたり、レースカーテンで光の量を調節したりと対策をしましょう。

  • ・家を空ける場合
    数日以上家を空ける場合は、水をたっぷりと与えてから出かけましょう。また、先ほども触れたように日の当たり過ぎは植物を弱らせることがあるため、直射日光が当たる場所には置かないこともポイントです。また、根腐れを防ぐために水はけがよい鉢を選び、蒸れない場所を選んで置くとよいでしょう。

    ・季節の変わり目
    季節の変わり目は、観葉植物をよく観察し季節に合わせた水やりを注意深く行いましょう。下記が、それぞれの季節に行う水やりの目安になります。
    春:気温の上昇を確認しながら、徐々に水やりの量を増やす
    夏:土が乾きやすくなる時期であるため、水やりをしっかり行う
    秋:夏の暑さで疲れが出るため、適切に肥料を与えつつ徐々に水やりの間隔を広げる
    冬:水をあまり吸わなくなるため、土がしっかり乾いてから水やりをする

  • 家族や住まいの思い出を、観葉植物とともに

    住まいや家族の歴史に寄り添い、ともに思い出を刻む存在である観葉植物。
    インテリア空間を彩り、忙しい日常の中でも季節の移ろいや癒しを感じさせてくれることも「観葉植物がある暮らし」の魅力です。ありきたりと思える毎日でも、ふと植物の成長に気付いたり、たまにはゆったりとした気持ちで、子どもと一緒に水やりをしてみたり…そのような丁寧な暮らしが、きっと心豊かな記憶の1ページとなるはずです。
    ライフスタイルに合う育てやすい品種や、自分好みの色や形の鉢を選べば、無理なく心地よい空間をつくることができるでしょう。観葉植物をあなたらしく、日々の暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。

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Profile
フラワーアドバイザー
藤原喜久江
花が紡ぐ人と人との『ご縁』を大切に活動しているフラワーアドバイザー。花遊びから生まれる『小さな幸福感』を体験してもらえる講座が人気。寄せ植えやフラワーアレンジメントなど、季節の花や植物を使ったセンスの良いデザインを提案することでファンに好評。ハンギングバスケットマスターやガーデンアドバイザーなどの専門知識を活かし、多方面で活躍中。