DESIGN デザイン
エントランス完成予想CGDESIGN
椿乃一会
地の歴を継ぎ、
和の美を凝らした意匠。
「板橋」という土地の記憶を継承しながらも、
未来へ昇華していく美しい邸宅意匠を。
伝統と革新という考え方のもと、
ここにしかない「一期一会」の空間を描く。
歴史と伝統、
茶道の心がここに。
板橋という地名は、付近の石神井川に架けられた小橋に由来※1すると言われ、
鎌倉末期の書物にも源頼朝の布陣とともに、板橋の名が登場しています※2。
また江戸時代には、江戸と京都を結ぶ歴史ある街道「中山道」の最初の宿場町として多くの人々が訪れ、賑わいました。
このような歴史に着目するとともに、日本を代表する伝統文化である「茶道」の精神を取り入れたデザインに取り組みました。光、風、四季の移ろい…心を鎮め、五感を研ぎ澄ませる。多忙な日常をしばし忘れ、深いやすらぎに浸っていただきたいと思っています。
板橋
地名の由来である
「橋」をデザイン。
共用部のデザインの特徴となるのが、前面道路からエントランスに設けた「橋」です。地名の由来となるモチーフを取り入れることにより、街と住まいへの愛着を創出しています。また橋は「結界」的な空間でもあり、心のスイッチを切り替える役割も担っています。
宿場町
宿場の安息を、
奥座敷に創る。
池袋の奥座敷、かつての「宿場町」に思いを馳せ、瓦屋根、格子、石畳など、和の趣のあるマテリアルや造形、心の道標となる柔らかな灯りの演出をデザインに用いています。旅人が宿場町に着いた時「ほっとする」ような佇まいをエントランスで表現したいと考えました。
庭園
千利休の美学、
自然との対峙。
都心にいながらも山里にいるような安らぎを。私が大切にしているテーマに、千利休の美学を示す「市中の山居」という言葉があります。このプロジェクトでもエントランス周りの外構や、茶庭的な空間など、都心にありながらも「自然と向き合う」風景づくりをめざしました。
格子や瓦屋根、
和の趣をまとう。
エントランス周りには、日本の建物の象徴的なデザインである格子を用いています。
格子はかつての宿場町にも多く見られ、外と中が半透明的につながる日本ならではの繊細なデザインです。
また、都心でも自然を感じられるように景石や植裁などの演出を施しています。
特に石は不動のものであり、永く快適に暮らせる邸宅としての象徴にもなっています。
歳月を重ねるほどに味わいを増していくことでしょう。
オンからオフへ
心を解き放つ私空間。
石造りの欄干、御影石の壁、そして石畳。オンからオフへと心を解き放つアプローチもデザインのポイントのひとつです。またアイストップとなる正面には、瓦のボーダータイルと「つくばい」の演出を採用しています。
茶道のしきたり、
空間に礼を尽くす。
古来より茶道では茶室に入る前に身を清めるしきたりがあり、背の低い手水鉢(ちょうずばち)が置かれていました。このような「つくばい」の流儀をもとに、心の静穏を深める邸宅内へのアプローチとしての意匠をめざしました。
美しく品格のある
外構・植裁デザイン。
邸宅の顔となるエントランスまわりには、野趣あふれる自然石や、四季の移ろいを感じていただける植裁などの外構デザインを採用しています。宿場のなかでも大名や幕府役人などが泊まった本陣のように、品格のある表情で迎え入れます。
心の拠り所となる
和の空間をめざして。
共用空間となるロビーラウンジは、
安らぎの場所、心の拠り所となってほしい。
そんな思いを込めながら、日本の伝統文化を現代に昇華させた演出を採用しています。
連続する坪庭、囲炉裏や床の間の意匠、
和の趣に包まれながらゆったりとお過ごしいただけます。
囲炉裏テーブルで
団らんのひとときを。
暖を取ったり、食を囲んだり。その昔、日本の住まいに欠くことの出来ない存在であった「囲炉裏」。穏やかな時間を育む日本の伝統を継承し、ロビーラウンジの中心には囲炉裏テーブルを設けています。
屏風をイメージした
和紙張りの天井照明。
柔らかな光を広げる、折り上げ天井に和紙張りの間接照明。日本の伝統美である屏風をイメージしたデザインを共用部の天井に盛り込みました。天井のデザインは日本建築の中でも特に重要とされ、茶室においても様々な様式が用いられています。
外部との結界となる
枯山水の坪庭。
アプローチの「橋」を渡って茶室に入るように、外部からの結界(緩衝帯)としての坪庭をデザインしました。心を清める茶庭の考え方を取り入れ、白玉砂利が敷かれた地面に、飛び石や景石、灯篭などを設けています。縁側のようなベンチに座って庭を愛でる。ここが都心であることを忘れるような贅沢な寛ぎをお楽しみください。
季節を愛でる
美しい植裁デザイン。
秋に色づくイロハモミジや、愛らしい実を結ぶソヨゴなど、エントランス回りや庭園には、季節の移ろいを感じていただける緑の演出を採用しています。美しい四季のある国・日本、人々の間に息づく「季節を愛でる」という文化を大切に、緑と寄り添う邸宅風景を創出しています。
デザイン監修
椿建築デザイン研究所Tsubaki&Associates
一期一会
日本の気候風土と共存する住宅や茶室の設計に取り組み、
伝統建築から和風モダン、リビング茶室、本格独立茶室まで豊富な実績を誇る。
「ものづくり・匠の技の祭典」で発表した組立茶室「Zen-an(禅庵)」など、
国内外に広く茶室文化を発信。
※1出典:板橋区ホームページ ※2鎌倉時代末期の「延慶本 平家物語」によると、源頼朝が兵を挙げ武蔵野に進撃したとき、滝野川(現:石神井川)の板橋で陣容を整えたとされています(諸説あり)。 ※掲載の完成予想CGは、設計図を基に作成したもので形状・⾊等は実際とは異なります。施⼯上の理由及び改良のため、変更となる場合がございます。なお、外観形状の細部、設備機器等は表現していません。植栽は計画段階のものであり、変更となる場合がございます。また特定の季節、時期、または⼊居時を想定して描かれたものではございません。葉の⾊合いや枝ぶり、樹形は想定であり、竣⼯時には完成予想CG程度には成⻑しておりません。 ※掲載の敷地配置イラストは、設計図を基に作成したもので形状・⾊等は実際とは異なります。施⼯上の理由等のため、変更となる場合がございます。なお、建物形状の細部、設備機器等は表現していません。植栽は計画段階のものであり、変更となる場合がございます。また特定の季節、時期、または⼊居時を想定して描かれたものではございません。葉の⾊合いや枝ぶり、樹形は想定であり、竣⼯時には完成予想CG程度には成⻑しておりません。周辺道路・建物等は簡略化しております。