バウスマガジン
2024.04.19
インテリア
昔はフィルムのカメラで撮っていた写真も、今ではスマートフォンやデジタルカメラで簡単に撮影・加工を行い、カジュアルに楽しめるようになりました。
何気ない瞬間をスマホなどで気軽にカメラに収める機会が増えた分、撮った写真がスマホやPCに眠ったままになっていることもあるのでは。中にはベストショットにふさわしい一枚があるかもしれません。
そのような写真にひと手間かけて、お部屋に飾るのはいかがでしょうか。写真はインテリアのアクセントになるほか、空間に奥行きを持たせ、お部屋の雰囲気をガラリと変えることができます。また、思い出を辿るように写真を見返すと、そのときの気持ちがよみがえったり、幸せな気分になったりしますし、家族で共有できる話題も増えていきます。
今回は、写真を飾ることで、あなたらしい空間を演出するポイントをご紹介していきます。
洗練された印象を与える空間では、余白の使い方にさりげない工夫やアイデアが凝らされています。写真は、そうした余白をうまく使うための方法のひとつとして挙げられます。
お部屋を飾るアイテムを探すにしても、自分好みのものってなかなか見つからないですよね。そのようなときに自分の撮った写真はとても便利です。自分が気になって、撮影し保存した写真の中には、自分の趣味や嗜好に合ったものがきっと多くあるはずです。その中からお部屋の雰囲気にマッチしたものを選ぶのも楽しいものです
お気に入りの写真を大きなサイズで壁の余白に飾ったり、いくつかの写真を組み合わせたり、同じ写真でも、使い方によって印象は変わります。空間との相性、家具とのバランス、グリーンとの相乗効果などにも気を配りながら、写真の最適な使い方を考えてみましょう。
■同系色のインテリアには色づかいを控えた写真を
同系色でまとめたインテリアには、色彩の似ている写真を合わせるのがおすすめです。たとえば、インテリアがモノトーン主体であれば、モノクロ写真を飾り、白黒のみで表現された統一感のある空間にします。色が少ない分、映し出された陰影がより際立った、素敵な空間づくりができるでしょう。
なお、モノクロ写真は印象が控えめであるため、どんな部屋にも合わせやすく、インテリアとして写真を飾るのが初めての方にもおすすめです。
■シンプルな空間にはカラー写真を
壁の余白にゆとりがあるシンプルな空間には、カラー写真で華やかさをプラスするのもよいでしょう。余分なものを省きながらも洗練された雰囲気を演出するには、カラフルな写真でアクセントを加えるのがおすすめです。空間にメリハリが生まれ、お気に入りの家具などのアイテムが一層引き立ちます。
あらためて写真を飾ろうとすると、どんな場所にどんなモチーフの写真が合うのか、迷ってしまうこともあるでしょう。でも、お気に入りの写真なら、どんな写真でも意外としっくりきます。空間ごとにテーマを決め、それに沿った写真を飾るのも楽しいものです。
■リビング
リビングでは、部屋の雰囲気や壁、床、家具、そのほかのアイテムなどとのバランスを考えながら、家族のお気に入りの写真を飾りましょう。1日の多くを過ごす場所なので、思い出の旅先の写真や、何気ない日常の写真などがぴったりではないでしょうか。家族でお気に入りの写真を眺めながら、リビングでの団らんを楽しむのもよいでしょう。
家族が増えたときや、結婚式、入学式、卒業式など大切なイベントの写真を飾り、家族の軌跡を振り返るのもよいですね。
過去の日常やお子さんの成長の思い出が、リビングに幸せな雰囲気をもたらすことでしょう。
家族写真を飾りたくても、なかなかよい雰囲気のものがない…という場合は、表情豊かな顔の一部がアップになった写真や、旅先の風景などの写真、淡い色合いの植物の写真などを選ぶと、どんな部屋のテイストにもなじみやすくなります。
リビングで写真を飾る場所としておすすめなのは、カウンターやデスクのコーナーの一角、大きく余白のある壁面などです。ソファーを壁際に配置している場合は、ソファーの背面の壁などもよいですね。
1つの場所にいくつかの写真を飾るときには、「好きな風景」「家族の写真」「子供の成長」など、テーマを絞ると、まとまりのある演出ができます。
■玄関
玄関は、住まいの第一印象を決めるポイントにもなる場所です。来客からの見え方を考慮した配置を心がけましょう。住空間のイメージに合うおしゃれな雰囲気の写真を飾り、生活感を感じさせないよう演出するのがおすすめです。
リビングなどとは異なり、玄関はシンプルに演出するのがベストです。ごちゃごちゃした印象を避けるため、アイテムの数を絞り、清潔感のある小物などと併せて写真を飾るのがよいでしょう。
■トイレ
トイレは狭いスペースだからこそ、壁の余白の使い方が大事になってきます。たとえば、写真の色づかいに緑を取り入れると、自然のゆらぎや癒やしが感じられる空間になります。無機質な雰囲気になりがちな場所ですので、個性的な写真を飾るなどして、遊び心を加えるのもよいですね。
とはいえ、あれもこれもと加え過ぎると、清潔感が失われてしまうおそれがあります。あくまで余白を活かしながら、足し算・引き算のバランスを考慮し、センスのよい配置を心掛けましょう。
同じ写真でも、飾る場所や目的により、サイズ・並べ方を変えていきましょう。うまく使い分けることができれば、日常の生活をしながら素敵な空間を維持することができます。
■飾る場所や目的によりサイズ・並べ方を変える
はじめは、スタンダードな「Lサイズ」の写真から飾ってみるのがおすすめです。サイズの小さい写真は複数で飾れるため、ひとつのまとまりとしてカタチになりやすいといえます。ハガキよりもひと回り小さいLサイズならコンビニでも簡単に印刷できますので、初めての方にもチャレンジしやすいでしょう。
広い壁面には、少し大きな「A4サイズ」も検討しましょう。離れた距離からも写真の表情が見えることから、空間演出のアクセントにぴったりです。リビングやダイニングなどの、人目を引く場所におすすめです。
写真の存在感を出せる「A3サイズ」は、広々した空間などに向いています。インテリアの主役として、見栄えする場所に飾りましょう。
写真の幅によって、見え方の印象が変わります。横長の写真は1枚で飾ることが多いですが、間隔を広めに3枚並べて飾ると、重厚感が出てバランスもよくなります。横のラインを強調させる並べ方となるため、被写体がごちゃごちゃしていてもうまく収まります。大きめの写真は小窓のようにも見えるため、まるでカフェであるかのような演出ができるでしょう。
■フォトパネルという選択肢も
壁に写真を飾るというと、額縁やフォトフレームに入れるというイメージがありますが、「フォトパネル」という選択肢もあります。フォトパネルは、写真をそのままプリント用紙(フォト用)に印刷し、かつ、パネルに仕上げてくれるものです。フレームを別に準備することなく、厚みのあるパネルがつくれる優れもの。複数並べておしゃれな空間を演出してみてはいかがでしょうか。まるでギャラリーに自分の作品を展示しているかのような雰囲気の空間になります。フォトパネルは写真プリントができるオンラインショップなどで気軽につくることができます。
■ピクチャーレールがない場合
写真を壁に飾る際に、壁に穴をあけることが気になる方は、非常に細い針の画鋲が市販されていますので、ぜひ探してみてください。
壁を一切傷つけたくない場合は、フォトフレームのほかにも、写真を紐などにクリップで止めてガーランドのように飾る方法、メッシュワイヤーやコルクボードなどを使って飾る方法などもあります。
プロのフォトグラファーは、写真を撮るときに、一枚一枚が『作品』であると意識しているそうです。日常の何気ないシーンで撮影する写真は、歳月が経つほど味わい深い思い出の作品になっていきます。その時は同じ毎日の繰り返しと思っていたその瞬間が、のちにとても貴重な宝物のような時間だったと気づかせてくれます。
「写真を飾る」だけではなく、じつは「大切な思い出を飾っている」のですね。そんな瞬間の作品で、ぜひお部屋を彩ってみてください。
お気に入りの写真でつくるあなたらしい空間は、あわただしい日常に、きっと心地よさや癒やしをもたらしてくれるはずです。