バウスマガジン
2023.09.29
暮らし
あなたにとって「快適な家」とは、どのような状態ですか?
「いつでもキレイに整っている」「モノが散らかっていない状態」そんな空間を思い浮かべる方が多いかもしれません。
ただ片づけが負担となり、キレイを保つことにストレスを感じているのであれば、あなたの理想の暮らしは住まいの「見た目」をキレイにすることではないのかもしれません。
家が片づいている日もあれば、散らかっている日もあってもいい。キレイな状態ばかりに固執するのではなく、「片づいている日」と「散らかっている日」の自分の心に目を向ければ、自分が本当に望む「理想の暮らし」に気づくことができるのではないでしょうか?
今回は「見た目」ではなく「毎日の暮らしを楽しむ」ことを目的としたお片づけのポイントをご紹介します。
1. モノは仲間。捨てることを一番に考えなくて大丈夫!
2. 片づけの基準は自分の「快」「不快」の気持ち。素直に従おう
3. イライラは気づきのサイン。きれいにしたい気持ちの表れ
4. 失敗してもいいから動いてみる。違ったらやり直せばOK
5. 100%片づかなくても大丈夫。できた部分に目を向けて
ホテルやモデルルームのようなキレイな部屋は、一見快適に見えます。一方、毎日の「暮らし」について考えてみると、「キレイ」は「快適な家」を構成する1つの要素であることに気づきます。
快適さを感じる「キレイ」のレベルも人それぞれ。必要最低限のモノでシンプルに暮らしたい人もいれば、色々なモノに囲まれているほうが安心できる人もいます。
必ずしも「キレイ」なお片づけを目指す必要はありません。「自分にとっての快適さ」を最優先に考え、左図の6つのステップで、少しずつ「自分らしく暮らしを楽しむ」ためのお片づけを目指していきましょう。
まずはその部屋で何をしたいのか、どのように過ごしたいのかをイメージしてみましょう。
たとえば、「お気に入りのコーヒーカップに囲まれて、おいしいコーヒーを飲みたい」「調理器具は手の届く場所において、ちゃちゃっと料理できるキッチンがいい」「お出かけに必要なものは、すべて玄関で身に着けたい」など。
あなたにとって最適なモノの数や収納場所は、ほかの人と違って当然です。何よりも自分がストレスフリーな状態を大切にしましょう。
「快適な空間」が想像できたら、部屋をそのイメージに近づけていきます。気合を入れて一気に片づけたり、場所を決めて少しずつ進めたり。自分に合ったペースで構いません。
一度部屋にあるモノを全部出してしまい、自分の基準で「残すもの」「手放すもの」を仕分けてみましょう。そのときに大切にしたいのが、そのモノが自分にとって「快」なのか「不快」なのか。
好きでよく使っている、古くても使いやすいと感じるモノは「快」な感情なので残す、もう使わないものを持っていると「不快」な感情になりえるので手放すようにしてみましょう。
どうしても手放してよいか迷うモノについては、自分にとって「大切なモノ」なのか、「なくなると不安なモノ」なのかを考えてみます。
人からもらったモノや子どもの作った工作など、あなたが大切にしたいと感じるモノなら、「快」の感情なので無理に手放さなくてもOK。もし、手放すことが不安であれば、いったんは残しておいて定期的にモノを見る時間を作ってみてください。そうすると「なくても大丈夫かも」と思えるタイミングがやってくるかもしれません。
勢いで手放すのではなく、「なくても大丈夫」と穏やかな気持ちで手放すことが、無理なく整理を進めるポイントです。
仕分けができたらモノの定位置を決めて、収納していきましょう。
収納場所の基本的な考え方は、「使う場所のそばに、使うモノを置く」こと。たとえば、玄関には吊るす収納で帽子をかけたり、洗面室にはパジャマや下着を置いたり。リビングでパソコン作業をすることが多い方であれば、個室ではなくリビングの一部にパソコンの収納スペースを用意するのもおすすめです。
衣類や小物はクローゼット、パソコンは個室、本は本棚などと固定概念で決めつけず、あなたが暮らしやすいようにモノの定位置を決めるようにしてみましょう。
ここまでできれば後は「使ったらもとの場所に戻す」「買ってきたモノは定位置にしまう」ことを意識してみましょう。
どうしてもモノが出しっぱなしになってしまう場合は、「1日1回リセットタイム」を設定しましょう。1日に1回が難しければ、「〇曜日と△曜日はリセット曜日」とするのでもOK。
ただし散らかりすぎてしまうと、もとに戻すのが億劫になるので注意が必要です。設定したタイミングにとらわれ過ぎず、自分のペースにあったリセットタイムを見つけましょう。
たとえば、夕食前や寝る前の数分間などを家族みんなのリセットタイムとして習慣づけたりすると、快適な状態をキープしやすくなります。
水・油はねが多いキッチン周りや、髪の毛が落ちやすい洗面室など、汚れが気になる場所に絞って、1日1回時間を決めて掃除をしましょう。お掃除シートやフローリングモップなどでサッと拭くぐらいの感覚でOKです。
掃除機は週に1~2回程度でも大丈夫。片づけと掃除のタイミングをつかめれば、「快適な住まい」を保てるようになります。
リセットタイムにお子様や旦那様はお片づけ、奥様はササッとお掃除というように家族の中で役割分担をすると効率的に進めることができ、家族のコミュニケーションも自然と生まれます。
日々の生活はリセットタイムと掃除の繰り返しですが、子どもの成長や、生活スタイル・ライフステージの変化に合わせて、モノの定位置や掃除頻度の見直しを行ってみましょう。
「ここにこれがあったら便利」と気づいたときも見直しのチャンスです。
私たちの暮らしは日々変化し、それに合わせてモノに対する見方や快適な暮らしも変わってきます。
これからの自分にとって心地よい暮らしをイメージして、仕分け・整理の基準や収納場所を見直してみませんか。
共働き世帯が増えている今、常に家をキレイな状態に保つことは大変なことだと思います。
片づける時間がなくて、部屋が散らかっていることにイライラすることもあるかもしれません。
でも散らかっているときがあっても問題ありません。自分や家族の快適さを優先し、みんなが心地よく暮らせる住まいのカタチを探してみましょう。
そうすれば「片づけ」が心の負担になるのではなく、家族が笑顔で「暮らしを楽しむ」ための手段の1つとして、考えることができるのではないでしょうか。