BAUS MAGAZINE

バウスマガジン

2023.09.29

BAUSのある街

人と、神様と、自然と。
“私らしい暮らし”を見つける「府中」

かつて「武蔵国(むさしのくに)」と呼ばれ、政務の中心となる国府が置かれていた府中。
都心へのアクセスがよく、豊かな自然に囲まれて暮らせる注目のエリアですが、そこには歴史や文化を大切に守りながらも発展してきた、先人たちの想いが息づいていました。
美しいけやき並木と神社、近代的なショッピングセンターが調和し、街として進化し続ける、府中の魅力をご紹介します。

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  • 「今日も良い一日でありますように」
    行き交う人たちを見守る、府中の神様

    新宿から京王線特急で約30分。府中駅に降り立ちまず目を奪われるのは、500メートルにわたって美しい大樹が続く、けやき並木です。正式には「馬場大門のケヤキ並木」という名称で、この通りは大國魂(おおくにたま)神社へと続く参道でもありました。
    駅から歩いてほんの数分の距離にある大國魂神社は、武蔵国の守り神として1900年以上の歴史を誇り、国の史跡にも指定されています。

    境内には参拝者はもちろん、心地よい時間を過ごす目的で訪れる人も多く、子どもに手水舎での作法を教えてあげているお父さんや、ウォーキングの途中でもお社の前で立ち止まり一礼をしていく男性、木漏れ日の中でおしゃべりを楽しむ女性たちなどさまざまです。

    そのどれもが日常のささやかなワンシーンとして溶け込んでいて、大國魂神社が街の人々に愛され、大切にされているのが伝わってきます。
    きっと大神様も、そんな人々の生活をやさしく見守ってくれているのでしょう。駅へ向かう道中、「行ってきます」と心の中であいさつしたら、素敵な一日を過ごせるような気がします。

  • 週末に登場するストリートテラスで
    緑と風を感じて過ごす、最高の時間

    府中駅周辺の利便性の高さは、この街の魅力のひとつでもあります。
    高架駅になっているため、改札を出れば見晴らしのよい2階の「府中スカイナード」に続いており、周辺のショッピングセンターに直結しています。地上1階は路線バスやタクシーが発着できるロータリーで、動線がわかりやすく設計されています。

    駅を取り巻くように隣接するショッピングセンターは、東側にTOHOシネマズも入っている「くるる」、その反対側に「LE SIGNE(ル・シーニュ)」、ワンブロック先には「フォーリス」があります。
    どの施設にも生活雑貨やファッションのお店、ドラッグストア、スーパー、クリニックなどが充実していて、駅周辺をぐるっと回れば、どんなニーズのショッピングにも対応できてしまいそうなほど。

    また、けやき並木通りでは週末にさまざまなイベントが行われています。
    毎週日曜日(※)には、誰でも利用できるテーブルとイスが設置される「府中ストリートテラス」を開催。お天気のよい日なら、緑のアーチの下で心地よい風を感じながらのランチなど、最高の時間が過ごせそうです。
    そのほかにもパブリックビューイングやマルシェも企画されていて、「今日は何があるだろう?」と、訪れるたびにワクワクする場所です。

    ※イベントの開催がない日もあります

  • 「府中愛」があふれるキッチンカーで
    本場のメキシカンブリトーが味わえる

    「府中ストリートテラス」には、キッチンカーも登場。レモネードやクレープ、フライドポテトなど、どれも美味しそうですが、パステルブルーのキッチンカーが印象的な「SIERRA KITCHEN(シエラキッチン)」は、メキシカンブリトーやタコライスが人気のお店。こだわりも具もたっぷり詰まったメキシカンブリトーはもちろん、チーズタコライスも絶品です!

    オーナーの北野さんは、府中市生まれ。アメリカ西海岸・サクラメントに滞在中、そこで食べたメキシコ料理人が作る本場のメキシカンブリトーの美味しさに感動し、「絶対にあの味を日本で再現したい!」と、幼なじみの調理師さんと一緒に試行錯誤を経て完成したのだそう。

    「うちのスタッフは、私を含めみんな府中に住んでいます。別のキッチンカーの方も府中出身ですし、みんな仲良しでこの街が大好き。商店街もお店同士で支え合うというカルチャーがあると思います。学生さんたちがイベントを企画することもあって、若い世代も元気ですね!」(北野さん)
    見ると、どのキッチンカーのスタッフも明るい人ばかり。美味しいランチだけじゃなく、こんな素敵な笑顔に会えるのも嬉しいですね。

    【お店情報】
    SIERRA KITCHEN(シエラキッチン)
    出店場所はInstagramで公開

  • ふらりと立ち寄ったお店で
    こだわりの逸品に出会う楽しさも

    大國魂神社から北へと伸びているけやき並木ですが、府中駅をはさんで反対側のエリアは、通りを歩く人も少なく、静かに散策を楽しみたいときにおすすめです。
    ゆったりとした時間が流れていて、生花店や自然食品のお店、パティスリーなど、個性的なお店が点在しています。

    焙煎の香りに思わず足を止めてしまう、コーヒー豆の専門店「常盤珈琲焙煎所」は、注文を受けてから生豆(なままめ)を焙煎するこだわりで、世界中から取り寄せた豆は常時30種類ほど。
    流通する豆のわずか4%ほどしかない、素晴らしい風味と特性を持つスペシャルティコーヒー豆を扱っています。
    豆の個性に合わせ、魅力を最大限に引き出す焙煎をしてくれるので、知識がなくても大丈夫。「お客さまの好みを聞きながらご案内させていただきますので、お気軽に覗いてみてくださいね」と店長の杉本さん。

  • また大國魂神社の近くには、レトロな外観がすてきな1868年創業の老舗洋食店「モナムール 清風堂本店」があります。1階は季節のフルーツなどを使ったケーキを販売するパティスリーで、2階では旬の魚介類を使ったイタリア料理が楽しめます。
    府中駅周辺は老舗やカフェなどのグルメスポットが充実しているので、ぜひ訪れてみてください。

    【お店情報】
    常盤珈琲焙煎所 府中けやき並木店
    住所:東京都府中市寿町1-6-2/電話番号:042-306-7181
    営業時間:10:00~20:00/定休日:年中無休

    モナムール 清風堂本店
    住所:東京都府中市宮町2-1-1
    ◆フランス菓子・カフェ
    電話番号:042-361-9774
    営業時間:平日・日・祝日10:00~22:00/定休日:年中無休
    ◆イタリアンレストラン
    電話番号:042-360-1060
    営業時間:平日11:30~15:00 17:00~22:00、土・日・祭日11:30~22:00/定休日:年中無休

  • 世代も目的も違う人たちが集い
    コミュニティが生まれる公園

    広い空の下、思いっきりリフレッシュしたいときは、少し足を伸ばして府中の森公園まで。府中駅から車で5分ほどの距離で、24時間営業の駐車場(有料)も完備されています。
    広い園内には噴水や日本庭園、売店、バーベキュー広場、テニスコート、サッカー場などがあり、アクティブに楽しむことができます。
    とくに遊具広場は、小さなお子さんに大人気のエリア。元気に走り回る子どもたちを見守りながら談笑するお父さん同士の姿も、ここではめずらしくありません。またリードをつけていれば、園内は犬の散歩も可能です。

    府中の森公園の隣には、府中市美術館や府中の森芸術劇場といったアート系の施設もあり、徒歩での移動が可能。一日をこのエリアでゆっくり過ごすのもいいかもしれません。

  • 府中を愛する人たちのパワーが
    街に笑顔を生み出してくれる

    最後に紹介するのは、2006年から商店会が中心となって開催している「よさこいin府中」の様子です。
    府中駅周辺にはなんと大小合わせて13の商店街があり、自治体や市民と一緒にまちづくりに取り組んでいます。
    「よさこいin府中」は、けやき並木通りをメイン会場として、市内や近郊からチームが集まり、趣向を凝らしたよさこいを披露します。
    踊りや曲、演出とすべてチームごとに異なり、華やかな衣装も見ていて飽きることがありません。
    沿道から拍手が起こるたびに、よさこい参加者だけでなくスタッフの方たちもイキイキとしているのが印象的でした。

    エリアやシーン、商店街を盛り上げる人たちによって、色々な表情を見せてくれる街・府中。
    そんな「自分らしい暮らし」を見つけていけるのが、府中の魅力かもしれません。街の発展とともに、これからどんな新しい風景が生まれていくのか、とても楽しみです。

  • 取材協力:一般社団法人まちづくり府中
         「よさこいin府中」実行委員会事務局
    取材・文:秋山美津子(Dripword)
    撮影:大石隼土

    ※掲載の情報は2023年8月時点のものです。