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2023.02.09

暮らし

子ども部屋はいつから必要?
専門家に聞く適齢期

子どもの成長とともに、迷ってしまうのが「子ども部屋を与えるタイミング」ではないでしょうか?

早くに与えすぎても部屋が散らかりっぱなしになりそう…逆に遅くなりすぎたら自立心が育たないかも…など悩んでしまうものです。

そこで今回は、教育評論家の親野智可等さんに、子ども部屋を用意する適齢期や、その活用方法などを教えてもらいました。

あわせて自立心を養う部屋作りの工夫や、子ども部屋を与える前に気をつけることもご紹介。ぜひ、参考にしてみてください。

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  • 「子ども部屋」を用意するタイミングと活用方法

    子ども部屋を用意する適齢期ですが、一般的に多いタイミングは子どもの小学校入学前後です。親子で意識が高まるほか、ランドセルを購入したり、学習机の購入を検討したりする時期なので良いきっかけになります。

    しかし、小学生の頃は「ママやパパの近くで勉強したい!」という子が多いのも事実です。低・中学年はリビング学習を取り入れるのも良いでしょう。

    子どもが大きくなり学年が上がると、「日記を書いたりするときは自分の部屋」だけど「宿題は家族のいるリビング」など、用途によって使い分けるようにするのも良いですね。

    子ども部屋を用意する適齢期は小学校入学のタイミングですが、子ども部屋をどう活用していくかはそれぞれの家庭やお子さんの状況に合わせるのがおすすめです。

  • 子ども部屋学習のメリット・デメリット

    <子ども部屋学習の メリット>
    秘密基地のような特別感に子どもはワクワク!自分のものを置く場所ができるようになるので、部屋を管理する責任感が生まれてきます。

    また、プライバシーが守られるので、集中して勉強や趣味に取り組めるようになるのもポイントです。


    <子ども部屋学習のデメリット>
    子ども部屋で勉強していると、たとえ子どもがサボっていても親にはわかりません。親の目が届かないため、何時間たっても宿題や勉強が全然進んでいないということも…。

    そのほか、ものが片付かない、整理整頓ができないなどもありますが、小さいうちはこれが普通です。詳しくは後述しますが、できないからといってただ叱るのではなく、言い方を工夫したり、褒めるポイントを見つけてあげたりすることも大切です。

  • リビング学習のメリット・デメリット

    <リビング学習のメリット>
    家族の気配が感じられるので、お子さんの安心につながり、勉強に取りかかりやすくなります。勉強でわからないことがあればすぐに質問できるのもメリットです。

    また、勉強ができたときに家族がすぐに見て、その場で褒めてあげると、お子さんのモチベーションもさらにアップするでしょう!


    <リビング学習のデメリット>
    文房具などが散乱したり、リビングが汚れたりすることがあります。また、テレビをつけていると音が気になって勉強に集中できないことも。

    身体面では、小さな子どもの場合はテーブルや椅子の高さが合わなくて疲れてしまう、リビングの照明だけでは暗くて子どもの目に負担をかけてしまう、などのデメリットも あるので注意が必要です。


    子ども部屋学習とリビング学習は、勉強内容や作業内容、本人の性格に合わせて使い分けることが大切です!

  • 部屋作りを工夫することで自立心を養える!?

    「子ども部屋を与えても、散らかって片付けが大変そう…」と思っていませんか?もし散らかしてしまっても、ただ叱ることはやめましょう。子どもが整理整頓や片付けをしやすいように、ご家族が工夫してあげることが大切です!

    例えば、低学年のお子さんには収納 ボックスが有効。スモークタイプではなく透明のボックスにして中身が見えるようにすると、中に何が入っているかがわかるようになり、子どもでも片付けやすくなります。

    またラベルをつけて区分けしやすくするのも効果的!ラベリングがないと何でも入れてしまいがちですが、「ブロック」と書いてあれば、さすがに粘土は入れにくくなります。しかし、片付けが苦手な子どももいるので、ラベリングは細かくしすぎないことが重要です。

    大人目線でなく、子ども自身がやりやすいような工夫をしてあげましょう。

  • 子ども部屋を与える前に気をつけるべきこと

    子どもに一番必要なことは、家族に愛されているという実感です。しつけにこだわって「また◯◯してないでしょ。ちゃんと◯◯しなきゃダメじゃない」などと叱ってばかりいると、子どもは「私のことが嫌いなのかな?」と疑うようになります。勉強や片づけなど、子どもには苦手なこともたくさん。できないことがあって当たり前です。

    例えば、「◯◯しなきゃダメ」ではなく「◯◯するといいよ」と、言葉を肯定的な言い方に変えるなど、できるだけ叱らなくてもよい合理的な工夫をしてあげましょう。

    また、お子さんを褒めるコツは、全体的に見るのではなく、細かく観察してあげることです。例えば、全体的に見ると部屋は散らかっているけれど、細かく見ると収納ボックスにブロックを入れていたなど、できている部分に注目してください。家族がお子さんをよく観察して褒めてあげることが、子どもの成長につながるはずです!

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Profile
教育評論家
親野 智可等さん
教育評論家。長年の教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、学力向上、家庭教育について具体的に提案。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。
Twitter、Instagram、YouTube、Blog、メールマガジンなどで発信中。オンライン講演をはじめとして、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。