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2024.12.20

暮らし

来年はどんな年にしたい?
限られたスペースで自分らしさを演出する正月飾り

クリスマスが終わると、街中はイルミネーションなどの煌びやかさから一転、新年を迎える静かで厳かな雰囲気へと様変わりします。このタイミングで、家庭でもクリスマス飾りを片付け、正月飾りを準備する方が多いのではないでしょうか。

新しい年を気持ちよく迎えるために、マンションの住まいに合ったアイデアで、自分らしさを表現しながらお正月の雰囲気を楽しむのもよいですね。

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  • 日本の伝統文化である正月飾り
    そこに込められた意味とは

    新年の豊作や繁栄をもたらすとされる歳神様(としがみさま)を迎え入れるための正月飾り。平安時代から現在まで受け継がれてきた日本の伝統文化であり、新年に向けての祈りや願いを象徴するものです。
    現代では、神道と仏教の影響が合わさり、さまざまな正月飾りのスタイルが誕生しています。

    正月飾りのそれぞれに込められた意味を知ることで、自分のスタイルに合った飾り方のヒントが見つかるかもしれません。

    ■門松
    正月の代表的な飾りといえば門松です。門松は、歳神様が迷わず家に訪れるための目印としての役割を担っています。縁起の良い竹と松を一緒に飾ることで、家庭の安定と発展を願うといわれています。

    また、竹が斜めにカットされているのは「笑顔」を表しているといわれていて、笑顔で新年を迎え幸せが訪れるようにという願いが込められているそう。まさに縁起の良い工夫ですね。

  • ■しめ飾り
    しめ飾りも歳神様を出迎える正月飾りのひとつです。しめ縄は神域と現世を隔てる役目があり、歳神様が滞在する場所を清めるために使われます。

    このしめ縄に、神聖な場であることを意味する「紙垂(しで)」や、末広がりの形から繁栄や未来の明るさを意味する「扇」、縁結びを意味する「水引」、家系が代々続くことを象徴する「橙」などの縁起物を取り付けたものが「しめ飾り」です。

    円形のしめ縄に飾りがついた「輪飾り」もあります。輪飾りは、家庭円満を意味しています。

    ■鏡餅
    鏡餅は、歳神様へのお供え物として用いられ、また、歳神様が宿る場所でもあります。餅の丸い形は、神様が宿る鏡を連想させることから「鏡」の名が付いたとか。また、上段と下段で餅を重ねているのは「福が重なる」「円満に年を重ねる」などの意味が込められているそうです。

    鏡開き(かがみびらき)という行事では、歳神様の力が宿っている餅を食べることで、無病息災を願い新たな年の力を頂くとされています。

  • 正月に飾られる縁起のよい花木

    正月に花を飾ることは、日本の自然観と四季を尊ぶ文化が色濃く反映された風習です。また、歳神様が家に訪れるのを歓迎し、新年が豊かで幸福なものであることを願うという意味が込められています。

    ■松
    冬でも緑を保つ常緑樹であることから「不老長寿」を象徴しており、また、神が宿る神聖な木と考えられています。「門松」で使われる松は、生命力や家の繁栄を願うという意味が込められています。

    ■竹
    成長が早く、まっすぐに伸びることから「成長」や「強さ」「柔軟性」を象徴しています。竹はどんな環境でもしなやかに生き抜くことから、不屈の精神や家族の繁栄を願う意味が込められています。

    ■梅
    冬の寒さの中で早く花を咲かせることから「忍耐」「希望」「新たな始まり」を象徴しています。紅白の梅の花が特に好まれ、紅梅は情熱や幸福、白梅は清らかさを象徴するものとして親しまれています。

    ■千両・万両・南天
    可愛らしい赤い実が特徴で、実をたくさんつけることから「繁栄」や「富」を象徴しています。また、南天は「難を転じる」という意味があり、災難除けや健康祈願のシンボルとして飾られます。

    ■蘭
    「気品」「幸福」を象徴し、新年にふさわしい高貴な花として使われます。

    ■菊
    長持ちする菊は「長寿」「不老不死」を象徴しています。

  • 限られたスペースでの飾り方のポイント

    マンションで正月飾りを楽しむ際には、管理規約などのルールをきちんと確認したうえで飾り付けをしましょう。

    ■玄関ドアに「しめ飾り」や「輪飾り」を飾る
    マンションの玄関ドアに飾るしめ飾りや輪飾りは、スペースを取らず、家族や来客がひと目で新年を感じることができます。強力なマグネットフックなどを利用して、ドアの表面などに傷や汚れがつかないよう配慮するとよいでしょう。

    ■玄関の内側に「ミニ門松」を飾る
    玄関の内側や玄関脇の靴箱の上などに小型の門松を飾るのもよいでしょう。最近は「ミニ門松」やコンパクトな正月飾りが市販されています。スペースを取らず、手軽にお正月気分を演出できます。

    ■家族が集まる場所に「鏡餅」を置く
    鏡餅には家族の健康や繁栄を祈願する意味が込められているため、家族が集まるリビングに飾るのがおすすめです。現在ではコンパクトでインテリアに馴染むデザインの鏡餅も多く販売されています。

    そのほか、ミニチュアの獅子舞や干支の置物、お子さまが描いた干支の絵や書初めなどを飾ってもよいですね。

  • せっかくだから、正月飾りをお洒落に楽しもう

    日本ならではの伝統文化を象徴するアイテムである正月飾り。せっかく飾るなら、ちょっとお洒落にアレンジして自分らしさを演出してみませんか?暮らしに合った飾り方や、和洋ミックスに仕上げるなど、自分なりの表現をするのも楽しいですね。

    ■香りのよい「お香」などのルームフレグランスで雰囲気を変える
    香りでお正月らしい雰囲気を演出するのもひとつの方法です。松や檜などの和の香りでお正月を印象付けるような特別なお香やルームフレグランスを玄関内やリビングに置くことでスペースを取らず、気軽に新年の気分を感じられることでしょう。

  • ■ガラス製などの飾りを取り入れる
    ガラス細工や木製の置物で、正月飾りを楽しむのもアイデアのひとつです。これらは少し値段が張るものの、節句人形のように毎年繰り返し使え、手軽に出し入れできるので便利です。

    片付けるときは、歳神様への感謝の気持ちを込めて、ほこりを丁寧に拭き取り、柔らかい布などで優しく包んでからしまいましょう。

    ■正月花を用いた「フラワーアレンジメント」を飾る
    正月花を用いた生け花のアレンジメントを飾ってみてはいかがでしょうか。自分の好みで花を選んだり、インテリアにあわせてアレンジしたりするのも楽しいですね。

    生け花はちょっとハードルが高いと感じる方には、造花のアレンジメントを活用するのもよいでしょう。最近では、本物とほとんど変わらない造花も増えてきているので、おすすめです。

  • いつからいつまで飾る?

    正月飾りは、縁起を担ぐため、12月28日(末広がり)や30日(キリが良い)までに飾ることが良いとされています。12月31日に飾る「一夜飾り」は「歳神様への準備がおろそかだ」と見なされ、縁起が悪いといわれています。

    正月飾りを行うのは、歳神様が滞在している松の内の期間。この松の内は、関東では1月7日、関西では1月15日または20日までとされており、地域によって異なります。

    松の内が終わると、正月飾りを「どんど焼き」で燃やす風習があります。歳神様が天に帰る際に、その炎で見送るという意味があります。これ以外に、神社の納札所に返納する方法もあります。

    神社などに行く時間がない場合は、自宅で処分することもできます。正月飾りに少量の塩を振り、きれいな紙に包んでから紙袋などに入れ、感謝の気持ちを込めて家庭ゴミとして出します。その際、地域自治体のゴミ出しルールを確認することをお忘れなく。

  • マンションでの正月飾りは、コンパクトで飾りやすく、周囲や管理規約にも配慮したシンプルな飾り方がピッタリです。

    限られたスペースであっても、伝統を楽しむ工夫をしながら新年を迎えたいですね。

    皆さん、2025年はどのような年にしたいですか?「来年はこんな年にしたい」という思いを表現するような飾りを選び、自分らしい演出を楽しんでください。

    皆さんにとって、幸多き2025年となりますように。