バウスマガジン
2026.07.31
BAUSのある街
この街に暮らすことで磨かれていく、人生を豊かにするための「感性」。
杉並区・久我山には、そんな感性を育む美しい風景や文化、人との交流が、何気ない日常のなかに息づいています。
【久我山・前編を読む】
久我山駅から徒歩で約10分、都立高井戸公園は、野球場や球技場、テニスコートなどがあるエリアと、遊具が併設された広大な芝生広場で構成されています。
園内の各所にはベビーベッドやベビーケアルームが設置されており、乳幼児のお子さんを連れた家族でも、安心してゆっくりと過ごせるよう配慮されています。
「空の景」とも称される芝生広場は、緑と空が視界いっぱいに広がり、春から初夏にかけてシロツメクサが一面に咲き誇ります。
そのふかふかとした感触と草の濃い香りに包まれながら、シャボン玉を飛ばしてはしゃぐ子どもたちを見ていると、大人でも童心に戻って走り回りたくなります。
久我山駅から高井戸公園までは、神田川沿いの緑道を散歩しながら向かうルートがおすすめ。木々の新緑や紅葉など、季節ごとの美しい風景が出迎えてくれます。
久我山駅から吉祥寺駅までは、京王井の頭線で約5分というアクセスの良さですが、久我山に暮らす人たちは、自転車で移動するケースも多いそうです。
井の頭恩賜公園へは、久我山駅から自転車で9分ほどの距離なので、休日のサイクリングにもぴったり。神田川を眺めながら、気持ちよく走ることができます。
井の頭恩賜公園は、池をぐるりと取り囲むようにベンチが用意されていて、読書や写生をしている人の姿も。おいしいコーヒーを片手に水面を眺めていると、ふっと肩の力が抜けていくような心地よい感覚に浸れます。
また、公園周辺には、カモシカやリス、ヤマネコなどの動物が見られる井の頭自然文化園や、三鷹の森ジブリ美術館があります。
こちらは入園料が必要となりますが、子どもたちに人気のスポットです。
置いてあるだけで、周りの空気が変わってしまう――。
そんな、存在感のある小物に出逢えるのが、久我山駅から歩いて3分ほどの場所にあるお店「Supermama mit tobuhi(スーパーママ ミット トブヒ)」です。
店頭に並ぶ小物や雑貨は、代表の大谷さんが産地を訪れて生産者に会い、直接仕入れているものがほとんど。
「つくり手や商品そのものに、僕自身が心動かされたものだけをセレクトしています」(大谷さん)
そこに共通しているのは、日本の伝統工芸や技術を、未来につなげるための挑戦です。
例えば、真鍮製の一輪挿しは、鋳物で有名な富山県高岡市で生産されたもの。和洋どちらの空間にもマッチする繊細なデザインには、鐘や仏具で培った技術が活かされています。
朱肉メーカーが生産している香水は、ボトルの形が印鑑を模していて、「印鑑も香水も、アイデンティティを示すもの」というコンセプトが隠れています。こうした背景を聞いた瞬間から、佇まいが変わって見えるのも不思議です。
同店で取り扱っている商品には、生産地の歴史や文化、つくり手の情熱、技術に関する物語があり、大谷さんに質問すれば、ていねいにお話を聞かせてくれます。
逸品ともいえる小物と向き合い、「美」に対する哲学や価値観に触れているうちに、自身のなかで感性や審美眼が自然と養われていくような気がします。
「インテリアを考えるポイントとしては、どのような空間にしたいのか、全体の完成形を最初から目指し過ぎず、まずは点で考えてみるほうがおもしろいと思います。誰に・何に対してお金をかけたいのか……。自分で決めて意味のあるものにすると、それが部屋にあるだけで、愛おしいものに変わります」(大谷さん)
たとえ目的がなくてもふらりと訪れて、つくり手の物語を聞きたくなる、そんな素敵なお店です。
【お店情報】
Supermama mit tobuhi(スーパーママ ミット トブヒ)
東京都杉並区久我山2-14-9-103
電話番号:03-5941-9868
営業時間:11:00~19:00/定休日:月、火、水
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/supermamamittobuhi/
久我山駅の北側を線路沿いに歩いてすぐ、淡い鶯色の暖簾(のれん)が目印の「ヨイノフネ」は、全国から取り寄せた日本酒が楽しめるお店です。
お客様との関わりを大切にするという料理長のこだわりから、席はカウンターがメインの割烹料理スタイル。
季節ごとに旬の食材を、産地で親しまれている食べ方や郷土料理から昇華させた、味わい深い一品として提供されています。
いちじく味噌田楽は、愛知県の一部地方で夏至の日に食べる風習があったのだそう。「ヨイノフネ」では、西京味噌を使用していて、いちじくの甘さと上品な西京味噌の風味が溶け合い、日本酒との組み合わせも最高です。
お燗番を務めるのは、代表の石本さん。料理とのペアリングに悩んだら、石本さんに相談すれば、ていねいに対応してくれます。
「お客様によって味の感じ方は異なるので、料理とのペアリングというよりは、お客様の“好み”とのペアリングを意識しています」(石本さん)
鮎の肝醤油焼きに添えられている、しょうがの漬物のおいしさに感動していると、「うちの料理長は、添え物にも一切妥協をしないというのがポリシーでして。漬物をはじめ、調味料や香辛料まで、料理長が手作りしているんです」と、石本さんが笑顔で教えてくれました。
おいしい料理と日本酒、お燗番の石本さんとの会話が心地よく、一人で訪れるお客様が多いのもうなずけます。
カウンターに一人で座る場合は、隣を1席ぶん空けたままにしてくれるのも、石本さんや料理長の人柄を感じられる、細やかな配慮です。
日本酒好きはもちろん、「日本酒の嗜み方を学んでみたい」と思っている人こそ、ぜひ訪れたい「ヨイノフネ」。
暖簾をくぐれば、そこには新しい世界と幸せな時間が待っています。
【お店情報】
ヨイノフネ
東京都杉並区久我山4-1-4 松村ビル103号
電話番号:03-6826-9895
営業時間:17:00~24:00、日・祝17:00~23:00/定休日:水
公式サイト:https://yoinofune.jp/