バウスマガジン
2026.05.29
BAUSのある街
作家の林芙美子をはじめ、多くの文化人や華族に愛された街・新宿落合。電車やバスで新宿駅まで約10分という距離にありながらも、喧騒をまるで感じさせない、閑静な住宅地が広がるエリアです。
パノラマの空を彩るのは、街路樹の濃い緑と花々、そして幻想的な新宿高層ビル群のシルエット。思わず足を止めたくなる情景に出逢うたびに、この街で暮らす幸せに包まれます。
新緑の木々と花のコントラストが美しい、都営大江戸線・落合南長崎駅。周辺には豊島区立のスポーツセンターや公園、駅直結の商業施設「iTerrace(アイテラス)」があり、多くの人で賑わいを見せています。
「iTerrace」は、24時まで営業しているスーパーをはじめ、民間の学童保育施設や小児科クリニック、子ども向けの英語教室など、子育てをサポートするサービスが充実。
また、「iTerrace ANNEX」には、屋内休憩所や眺望のよいテラスが設置されており、お子さん連れでも利用しやすい環境が整っています。
向かいにあるスポーツセンターの広場は、学校が終わる時間になると子どもたちが集まってきて、明るい声が響きます。この日は楽しそうに追いかけっこをしており、その様子を眺めているだけで元気を分けてもらえた気分に。駅や「iTerrace」が隣接していることで、「街で暮らす人たちに見守られている」という安心感にもつながっていると感じます。
落合エリアはほかにも、西武新宿線・中井駅、東京メトロ東西線・落合駅、少し足を延ばせば西武池袋線やJR山手線へのアクセスも可能。交通機関の選択肢が多く、利便性の高さも魅力です。
落合から新宿方面へと続く山手通りは、歩道が広く、歩行者と自転車のレーンも分かれているので、散歩コースとしてもピッタリです。週末には、ランニングをする人たちの姿も増え、皆さん、それぞれのペースで休日を満喫していました。
なかでも山手通りと新目白通りが交差するエリアは、ゆるやかなアップダウンがあり、景色の変化が楽しめます。ふいに視界が開け、青い空にぽっかりと浮かぶスカイツリーを見つけると、自分だけのビュースポットに出逢えたようなうれしさも。
また、スイーツ好きなら、目白通りを目白駅方面に歩いてみるのもおすすめです。
この通りにはフランス菓子の名店「エーグルドゥース」や、フレッシュな素材を使用したジェラート店「Gelato MinNa(ジェラート ミンナ)」をはじめ、チョコレート専門店やペストリー、北海道が発祥のパン屋などが立ち並びます。
休日の散歩がてら立ち寄り、午後のティータイム用のスイーツを購入したら、家に帰る足取りも軽やかになるはず。
今日は自宅でゆっくりしたい。でも、おいしい食事で特別な時間を過ごしたい――。そんな思いに応えてくれるのが、落合南長崎駅から自転車で約4分、フランス料理のデリカテッセン「Borzoi(ボルゾイ)」です。
基本的にテイクアウトがメインですが、そのぶん、オーナーシェフの松本さんは料理とメニュー開発に全力投球。
そのクオリティは「デリ用の料理」ではなく、「お店で提供するレベルをデリで」という、松本シェフの妥協のなさを感じます。
フランス料理といえば、ソースひとつとっても手間がかかる印象がありますが、松本シェフはあえて、家庭では作るのが難しいものを提供しているとのこと。
「例えば、7時間くらいかかる煮込み料理や、生地から作るパイなどですね。オニオングラタンスープも、本格的にやるとなると、ものすごい量の玉ねぎを炒めるので大変です。でも、せっかくならそういったフランス料理の奥深さを、家で楽しんでいただきたいんです」(松本シェフ)
ショーケースには、見た目にも華やかな肉・魚のメインディッシュ、前菜系やスープ、サラダ、デザートなどが並びます。週ごとに半分ほどのメニューが入れ替わりますが、燻製サーモングリルやデザートのフランはファンも多く、人気の定番商品です。
常連のお客様のなかには、以前は食べ歩きが好きだったけれど、お子さんが生まれたのを機に、家で食事を楽しむスタイルになったという方もいるのだそう。
「Borzoi」ならコース仕立てにこだわらず、メインや前菜だけを数種類といった組み合わせも可能です。馴染みがない料理も臆することなくチャレンジできるので、フランス料理への見識も広がります。
また、料理に合わせるお酒も、ワインに限らずビールや日本酒など、自分なりの楽しみ方を追求できるのも魅力的です。
「フランス料理はハードルが高いと感じる方も、ぜひ試していただいて、外で食べるきっかけになってくれればうれしいです。おいしいフランス料理店って本当にたくさんあるので、うちを“入口”くらいに考えていただければ(笑)」と、あくまで謙虚に語る松本シェフ。
2026年夏頃からは、急速冷凍で配送可能なメニューの取り扱いも考えているとのこと。全国の「おいしいもの好きな人」にこの味が届き、笑顔が広がっていくのが楽しみです。
【お店情報】
Borzoi(ボルゾイ)
東京都豊島区目白5-6-3
電話番号:070-2163-7710
営業時間:金16:00~20:00、土日14:00~20:00/定休日:月~木
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/borzodeli
家で楽しむフランス料理の次は、家のようにくつろげるカフェをご紹介します。
落合駅を出てすぐの場所にある「CozyStyleCOFFEE(コージースタイルコーヒー)」は、ペルー産をはじめとした無農薬のコーヒー豆を、農園から直接仕入れて自家焙煎している、スペシャルティコーヒーの専門店。
店内は高い天井にやわらかな照明、木の風合いが心地よく、「夢に向かって毎日を頑張っている人たちが、家のようにくつろげる場所であってほしい」という、オーナー・小島さんの思いをかたちにした空間です。
なんと、ここでデートを重ねた2人が、結婚の報告に来てくれたこともあるのだとか!
難関とされているコーヒー鑑定士の国際資格「Qグレーダー」を保有している小島さんは、豆のセレクトだけでなく、焙煎も自ら手掛けています。
焙煎機は店内に設置されているので、タイミングがよければ焙煎の様子や、焙煎したての豆から立ち昇る芳醇な香りといった、コーヒー好きにはたまらない体験もできそうです。
ランチタイムにおすすめなのが、熱々のグラタンやお店オリジナルの瓶詰めティラミス。こちらは、ラムチョコレート・トリュフ/シナモンクリームクッキー/ヘーゼルナッツプラリネの3種類のほか、季節限定のフレーバーも登場します。
「ティラミスは、バリスタが一つひとつ手作りしています。うちのスタッフは、お客様として通ってくれていた子が、“自分もバリスタになりたい!”と仲間になることがほとんど。みんな若い世代なので、そのギャップも楽しんでいますよ。僕は、みんなのことが大好きです」(小島さん)
コーヒーだけでなく、コーヒー豆の生産者、お客様、スタッフと、あらゆる人たちにありったけの愛情を注ぐ小島さん。その温かさが、お店の世界観につながっているのだと感じます。
訪れると自然と元気をもらえる、そんな素敵な「居場所」です。
【お店情報】
CozyStyleCOFFEE(コージースタイルコーヒー)
東京都新宿区上落合3-10-3
電話番号:03-6304-0451
営業時間:月~日9:30~18:00(※最新の営業時間は、インスタグラムに掲載)
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/cozystylecoffee/
落合エリアには、「東京の名湧水57選」に選定されたおとめ山公園をはじめ、ローラーすべり台やターザンロープなどのアスレチック系遊具が充実している落合公園など、魅力的な公園が点在しています。
なかでも桜の名所としても知られている哲学堂公園は、哲学の世界を視覚的に表現した、独創的なテーマの公園です。
園内は全体が小高い丘のような形状になっており、起伏に富んでいるので、ちょっとした探検気分も味わえそう。東屋やベンチに座り、木々のざわめきや鳥の声に耳を澄ませていると、心がじんわりと整っていく感覚に満たされます。
公園の中心にある四聖堂や六賢台は、明治時代に建立されたシンボル的存在。どんなときも、訪れる人を静かに見守ってくれています。
また、哲学堂公園では、星空観察会や絵本の読みきかせ、ミニコンサート、サッカー教室など、子どもと一緒に楽しめるイベントを定期的に開催。さまざまなかたちで心に栄養を注いでくれる、憩いの場となっています。
落合南長崎駅から徒歩で約9分、静かな住宅地のなかでひっそりと美しい佇まいを見せるのは、延寿東流庭園です。
この一帯は大正から昭和にかけて「目白文化村」と呼ばれており、「その面影を残した和風庭園を」という寄贈者の意向を受け、2006年に開園しました。
松や梅、ツツジ、モミジといった庭木はどれも手入れが行き届いており、四季折々の風情を彩ります。広すぎず、樹木に囲まれた坪庭のようなプライベート感が心地よく、「静寂を味わう」という表現がしっくりと馴染みます。
慌ただしい日々を過ごすなかで、「ちょっと気持ちをリセットしたい」と感じたときに、立ち寄りたくなる庭園です。
およそ100年前、落合で暮らし創作活動に没頭した多くの文学者や芸術家たちも、この街が持つ「自身と向き合える場所」という魅力に、どこか惹かれていたのかもしれません。
哲学堂公園からほど近い場所にある「こどもDIY部」は、子どもたちが創作活動を純粋に楽しむことを目的とした、アート&工作教室です。
ここでは、大人が作るものを決めたり、やり方を指示したりすることはありません。何を作るか、どう過ごすかも、子どもたちの自由です。
オープンするとすぐ、「こんにちはー!」という元気な声とともに、子どもたちが教室に入ってきます。一番乗りの女の子は、代表のさかたさんに学校であったことを報告しながら、何をしようか考え中。
すぐあとにやってきた女の子とも仲良くおしゃべりしていたので聞いてみると、別々の小学校に通っているとのこと。この教室が、学校以外の世界とつながる役割も果たしているようです。
体験教室を経て、今日が初めての参加という男の子は、自分の部屋の棚を作ろうと、図面と木材を持参していました。少し緊張した面持ちで一人、図面とにらめっこしています。
実は、一級建築士の資格を持ち設計のプロでもある、さかたさん。それでもあえて声を掛けず、男の子の様子を見守ります。
「大人はつい、“こうしてみたら?”と先回りして言ってしまいがちですが、ここは“失敗を経験できる場所”なので。試行錯誤のプロセスを大切にしています」(さかたさん)
完成や成功が目的ではないので、基本的に子どもたちのペースを尊重しているとのこと。それゆえに、「何をしていいかわからない」と戸惑う子も少なくないそうです。
「毎回、“やりたいことがわからない!”と言いながら、5年くらい通ってくれている子もいますよ(笑)。でも、それがその子なりのペースなんです。それに、“やりたい”とか“やりたくない”とか、自分のなかにあるぼんやりしたものを言語化していくこと自体が、すごく大事だと思っています」(さかたさん)
ふと見ると、子どもたちは駄菓子コーナーで、購入するおやつの厳選タイム。図面を見ていた男の子も、いつの間にか年上の子たちと一緒に参加しています。
大人が介入しなくても、子ども同士で自然と関係を育むその姿に、「ちゃんと自分で考え、行動を選択しているのだ」と、教えられたような気がしました。
【お店情報】
こどもDIY部
東京都新宿区西落合2-9-7
電話番号:090-1273-1774
営業時間:木~日16:00~19:00/定休日:月~水(※最新の営業時間は、公式サイトに掲載)
公式サイト: https://www.kodomodiybu.com/